辰巳英治氏は、富士重工業時代に初代『レガシィ』の開発などに参画。
SUBARUのモータースポーツ活動やパーツ開発、販売などを行うSTI転籍後は、コンプリートカーやパーツの開発、SUPER GTやニュルブルクリンク24時間レースの総監督などとして活躍されました。
その辰巳英治氏は、今年のニュルブルクリンク24時間レースをもって総監督を引退。
本書は、その辰巳英治氏の偉業を振り返る内容になっています。
12/9、三栄書房より、『Mr.SUBARU/STI 辰己英治の軌跡』が発売されました。
概要
SUBARU/STIのモータースポーツ活動をけん引すると同時に、コンプリートカーの開発やフレキシブルタワーバーなど大ヒットパーツを生み出してきた 辰己英治氏が、2024年のニュルブルクリンク24時間レースをもって総監督を引退されました。
富士重工業時代は初代レガシィの開発や市販車両の先行開発を担当。STI に移籍してからはコンプリートカーの開発やパーツの開発とともに、スーパーGTやニュルブルクリンク24時間レースを総監督として統括されました。レースでの実績を挙げるのみならず、そこから得た知見とプロダクト開発とを明確にリンクさせてきたその実績は特筆するものがあると考え、辰己氏の功績を称えるとともに、その『軌跡』を1冊のムックにまとめました。CONTENTS
P2 PROLOGUE ~カリスマの引退~
P8 ラストインタビュー「会社員人生に悔いなし。面白い日々でした」
P12 The HISTORY of NBR CHALLENGE 2008-2024
P52 辰己英治の車両開発理論考察「教科書を疑え」
P56 SUBARU専務取締役 藤貫哲郎が語る「辰己流エンジニアリング」
P58 日本で一番いいワゴンを作る 開発コード「44B」
P62 再録・KYOSHO MINI CAR & BOOK対談「ラダーフレームがクルマの基本」ボディ作りはサンバーから学んだ
P66 モータースポーツと車両開発
P72 STIコンプリートカー開発ストーリー
P84 STI Complete Car Archive
P89 辰己イズムの象徴「フレキシブルパーツ」とは?
P90 フレキシブルタワーバー販売10万本への道のり
P92 レーシングドライバーと辰己英治
井口卓人&山内英輝/佐々木孝太/久保凜太郎
カルロ・ヴァン・ダム/ティム・シュリック
P101 マルセル・エンゲルスの思い出
P102 エンジニア4人の証言
小澤正弘/沢田拓也/坂田元憲/市澤 眞 P106 プローバ代表 吉田寿博インタビュー
P108 モータースポーツマーケティングと辰己英治
P110 SUBARU/STIの伝統 ディーラーメカニックの歴史
P114 サプライヤーと辰己英治
DUNLOP/BBS/FUJITSUBO/東亜工業/ENDLESS/BMC/MOTUL
P130 [特別対談]辰己英治×桂伸一×松本晴比古
P136 ドイツの仲間から届いた辰己総監督への感謝
P138 スバルテクニカインターナショナル株式会社代表取締役社長 賚寛海インタビュー
「一台を見る」ことの意味
P140 モリゾウから辰己英治へのメッセージ
ひとこと
SUBARUのモータースポーツ活動と聞いて、辰巳英治氏の名前を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
かく言う私もその1人。
SUPER GTでは、監督にスポットライトが当てられる機会は少ないですが、ニュルブルクリンク24時間レースの中継を視ていると、優しそうだけど、職人っぽい辰巳英治氏の顔がよく映っていたのを覚えています。というか、ドライバー以外で顔がわかるのは、辰巳英治氏しかいません。
その辰巳英治氏が、今年のニュルブルクリンク24時間レースをもって総監督を辞めるという話を耳にしたときは、自分の耳を疑いました。
でも、自分がアドバイスをできるうちに、後進に道を譲るというのも、組織として大切なことなのかな?と思うように。
辰巳英治氏の顔を拝見する機会が減るのは残念ですが、氏の功績をたたえた本書が刊行されることは、素晴らしいことだと思います。
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