経営統合の概要
昨日12/18、ホンダと日産が経営統合に向けて協議を進めていることが明らかになりました。
今年3月に、EVの開発などでの協業を検討すると発表しましたが、それをさらに進めた内容となります。
表向きは、米中でのEV化の波に乗り遅れた2社が、開発のリソースを1本化するためとされていますが、近年経営不振に陥っている日産にホンダが手を差し出したという見方もあるようです。
もしこの経営統合が現実になり、日産とパートナーシップを組む三菱も参加した場合、トヨタグループ、フォルクスワーゲングループに次ぐ世界で3番目の自動車グループになるそうです。
弱点を補いあえる関係になる?
EVによる海外市場の開拓には苦労している2社ですが、国内市場に目を向けてみると、軽自動車とコンパクトミニバン(『N-BOX』、『フリード』など)に強みを持つホンダ、コンパクトカーとミドルサイズミニバン(『ノート』と『セレナ』など)に強みを持つ日産に加え、SUVなど(『アウトランダーPHEV』や『デリカD:5』、『トライトン』など)に強みを持つ三菱が加われば、お互いの弱点を補い合うことができます。
各社の強みを活かすと、強力なラインナップが築けそう…
また、三菱の『トライトン』や『パジェロスポーツ』など、タフな4輪駆動車は、アセアン、オセアニア、中東、アフリカ、中南米などで人気がありますし、ホンダは『アコード』や『シビック』、『CR-V』などで北米で高い人気を誇ります。F1に参戦している(今は名前が消えているけど…)ことから、欧州での人気もそれなりにありますよね。
日産はF1ではなく電気自動車によるレース、Formula Eに参戦することで、EVを販売していることはアピールできているものの、『アリア』や『リーフ』くらいとラインナップが揃わず、売る玉が無い状況…
各社の強みを活かすことができれば、EV市場で先行するメーカーに追いつくまでの間、支え合うことも可能なのかも知れません。
各社の特色が邪魔をする場面も…
一方で、各社の特色が邪魔をする場面も予想されます。
たとえば、ハイブリッドの方式。
日産は、エンジンを発電のためだけに使うシリーズハイブリッド方式「e-POWER」。ホンダは2モーターのシリーズパラレル方式「e:HEV」。三菱はシリーズパラレル方式だけど充電もできるプラグインハイブリッド…
これだけ見ても、どれに統一するの?それとも各社バラバラでいくの?ってことになります。
将来のEVシフトを考えれば、ハイブリッド方式の統一にお金と時間をかけない方が得策に思えますが、グループでの部品点数を減らそうと思うと、いずれかの方式に統一した方が良いのかもしれません。
システムをごそっと持って来ることが可能であれば話は簡単なのでしょうが、そんな簡単にはいきませんからね…
また、社風が邪魔をすることも…
ホンダは上の方針に従っていれば、その範囲内で比較的自由に動ける雰囲気。
一方の日産は官僚型。
どこまでのレベルで協業するかにも依りますが、この社風の違いがどう影響するかも気になります。
ともかく日産を救わねば!
突然ですが、日産が1番最近に国内で発売/フルモデルチェンジした車は何かご存知ですか?
なんと、2022年12月に発売された6代目『セレナ』まで遡るんです。2023年、2024年は無し。
もっとも、2022年は1月に『アリア』、5月に『サクラ』、7月に『エクストレイル』、8月には『フェアレディZ』のビッグマイナーチェンジと頑張ったので、谷間なのかも知れませんが、2年間も新車の発表が無いのは寂しい限り、というか、異常事態。
EVに転換しようとして開発のリソースをそちらにふったものの、思うように売れず。まだ需要のあるガソリンエンジン搭載車(ハイブリッド車など)は、気がつくとニーズから外れてしまっている…
そんな状況でしょうか…
『スカイライン』や『GT-R』、『フェアレディZ』、『シーマ』などなどなどなど、現在でもこよなく愛すファンを持つ車や、世相を反映した車を生み出してきた日産のブランドが消えてしまうことだけはなんとか避けたい!というのが、いち自動車ファンとしての思いです。
1+1が3にも4にもなる統合を目指して欲しいなと思う限りです。
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