昨年9月に納車されたトヨタ『シエンタ』のタイヤを、オールシーズンタイヤに交換しました。
背景
私が現在住んでいる地域は、積雪は10年に1度くらいしかないようなところです。
また、通勤等にも使用していないので、冬用タイヤは必要ありません。
しかし、父の実家がある地域は積雪地帯。
父は5人姉弟の末っ子なのですが、間に戦争を挟んでいるため、すぐ上の伯父とは9歳離れています。
そんな感じなので、90代半ばの伯父、伯母を先頭に、高齢の親戚が多く住んでいます。
もちろん何もないのが1番なのですが、人間の寿命は有限なので、万が一積雪のあるときに呼ばれて、サマータイヤなので行けませんってわけにはいかず。
また、妻と子供たちは名古屋に住んでいるのですが、名神高速道路や新名神高速道路は、雪が降ると冬用タイヤ規制が出ることがあります。
これまでは、雪の予報だと名古屋へ行く日を延ばしたりしていましたが、この春は長男と次男がそれぞれ高校、中学入学なので、何度かその準備に行く必要があります。
こちらも、雪だからといって先延ばしすることができず…
とりあえずオールシーズンタイヤに交換しておけば、いつ何があっても対応できるやと思い、タイヤを交換することにしました。
また、チェーン規制が出た場合や、凍結路面、深雪の場合に備え、布製のタイヤチェーンも用意しました。
金属製チェーンの試着
オールシーズンタイヤの購入を検討する前に、まず家にあった金属製チェーンがつかないかどうかを確認しました。
サマータイヤからいきなりチェーンというのは、使い勝手が悪いなぁとも思ったのですが、使えるかどうかを確認して損はないだろうと思いまして。
ただ、家にあったチェーンは、パッケージがなくなっていたため、対応するタイヤサイズがわかりませんでした。
そのため、実際に取り付けてみて、使えるかどうかを確認することに。
そのチェーンというのが、以前父が乗っていたホンダ『シビック』(7代目 EU型)のものということ。
調べてみると、この代の『シビック』のタイヤサイズを調べてみると、標準タイヤサイズは185/70R14なので、185/65R15の『シエンタ』と近いサイズです。
これは行けるかな?と思い、装着してみたのですが、あと5cmくらい足りません。
なんとかすれば届きそうな気がするのですが、金属製なのでこれ以上伸びることはありません。
あとで、父と母の記憶を紐解いていくと、『シビック』の前に乗っていたホンダ『クイントインテグラ』に合わせて買ったのではないかと…
調べてみると、標準タイヤサイズは185/65R14なので、『シエンタ』とタイヤ幅、扁平率は同じですが、ホイールサイズが1インチ小さいです。
ちなみに、私は福井に住んでいたときなどスタッドレスタイヤを使用していたため、チェーンを装着するのは今回が初めてでした。
なお、ホイールカバーがついている場合は、キズがつかないように外しておきましょう。
シエンタの場合、ホイールカバーに4ヶ所溝がつけられていました。
ここにマイナスドライバーなどを差し込んで、少しずつ外していきます。
工具の先に薄い布をかけておくと、ホイールカバーにもキズが入りにくくなります。

タイヤの選定
差し迫ってオールシーズンタイヤが必要なわけではなかったので、タイヤの選定には時間をかけました。
オールシーズンタイヤ
以前紹介したことがある、ダンロップの「アクティブトレッド」技術を採用した『SYNCHRO WEATHER』も気になったのですが、『シエンタ』のサイズで1本1万円くらい高いんですよね…
『SYNCHRO WEATHER』だと凍結路面でもある程度走れるのですが、実際にそんな機会があるかどうかと考えると、今の使い方だとほぼゼロ。
1万円✕4本を浮かして、布製のタイヤチェーンを購入した方が、より幅広い路面に対応できるかなと思い、『SYNCHRO WEATHER』は選択肢から外しました。
確か、アルファ ロメオ『147』のときは、ミシュランの『CROSSCLIMATE』使ったかな?
三菱『アウトランダー』のときは、途中までスタッドレスとサマータイヤを履き替えていたのですが、最後の3年くらいはダンロップの『GRANDTREK AT3』を履いていたようです(メーカーも商品名もすっかり忘れていましたが…)。
そして、『シエンタ』に乗り換える前のホンダ『N-BOX』は、MAXXISの『ALL SEASON AP2』を履かせていました。
軽自動車用のオールシーズンタイヤって、選択肢がないんですよね。
そういう意味では、今回は選択肢がいろいろあったので、タイヤ選びが楽しかったです。
『147』にオールシーズンタイヤを履かせたときよりも、各社性能が向上していましたし。
最後まで残ったのは、ヨコハマ『BluEarth 4S AW21』と、グッドイヤー『VECTOR 4Seasons ハイブリッド』。
どちらも、静音性や乗り心地を重視して選びました。
走行距離が短いため、摩耗よりもゴムの経年劣化の方が早いと思い、耐摩耗性は考えず。
いろいろな比較記事を読んだり、お店の品揃えなどを鑑みた結果、グッドイヤー『VECTOR 4Seasons ハイブリッド』に決定。
グッドイヤーは、現在のような”使用に耐えられるレベルの”オールシーズンタイヤを世に送り出した先駆者ですね。
本当は、次の代の『VECTOR 4Seasons Gen-3』が良かったのですが、お店になかったのでGen-2にあたる「ハイブリッド」にしました。
タイヤサイズ
最後の最後、注文する直前まで悩んだのがタイヤサイズでした。
ホイールのインチアップですね。
現行『シエンタ』の標準タイヤサイズは、185/65R15。
一般的に、オールシーズンタイヤはサマータイヤと比べてゴムが柔らかいので、同じタイヤサイズだと運動性能が落ちるかな?と。
また、サマータイヤ→サマータイヤでインチアップするよりも、乗り心地の悪化は抑えられるんじゃないかと。
17インチにしてしまうと、タイヤサイズが205/45R17になるそうです。
45扁平はさすがにねーと思うのですが、16インチだと195/55R16です。
55扁平になりますが、タイヤ幅が10mm太くなるので、エアボリュームはありそうです。
これなら、乗り心地は気にならないのでは?
ただ、現行の『シエンタ』って、福祉車両も含めて、上から下まですべてのグレードでタイヤサイズが同じなんですよね。
先代モデルでは、標準タイヤが15インチ、メーカーオプションで16インチ、ディーラーオプションのMODELLISTAで17インチを選択できたようなのですが…
これって、完全に15インチを前提に作り込まれているということ。
もし、オプションで16インチを選択できるのであれば、迷いなく16インチを選択していたと思うのですが…
インチアップしたときのメリットは、運動性能の向上(ハンドル操作に対する反応の良さ)。
デメリットは、乗り心地の悪化、最小回転半径が大きくなる、燃費が悪くなる、タイヤ&ホイールの価格が高くなるといったところでしょうか。
特に気になるのが燃費の悪化。
走行中タイヤは常に回り続けているため、タイヤ&ホイールと同じだけボディーを軽量化するよりもはるかに燃費に効いてきます。
ホイールはほぼ金属製なので、インチアップすると重量が増してしまい、燃費が落ちてしまいます。
結局、現在のオールシーズンタイヤなら、腰が砕けるようなことはないだろうと思い、15インチのままいくことにしました。
せっかくのハイブリッド車なので、燃費良く走りたいですよね。
ん、ハイブリッドで燃費を稼げるから、インチアップするという考え方もあったか?
ちなみに、今回タイヤを購入したのは、「カーポートマルゼン」さんです。
はじめてネットでタイヤを購入しましたが、何も不都合はありませんでした。
タイヤ交換は、学生の頃から毎年2回、サマータイヤとスタッドレスタイヤを交換していましたから、慣れていますしね。
ホイール
ホイールは、適当に安いアルミホイールを組み合わせました。
特に『シエンタ』はホイールハウスの前後に黒い樹脂パーツが配されているため、濃い色だとタイヤ周辺が黒く抜けたように見えるので、明るめの色のホイールをチョイスしました。
ホイールナット
ホイールナットは、スチール製のメッキのものを3,300円でつけることができたのですが、アルミ製のものを3,280円で見つけたので、そちらを購入。
ホイールと一緒であれば、ホイールにあったナットをつけてもらえますが、別に買うとなると、座面、ボルトサイズ、ピッチなど、すべて自己責任になるのでちょっと緊張。
色は、赤や青も考えたのですが、目立たせたいような良いホイールを履かせるわけでもないし、ちょっと派手すぎるよなぁと思って却下。
黒も良いかなぁと思ったのですが、ホイールのナット周囲の穴は影ができるため、存在感が薄くなるかなと思い、結局チタンカラーに落ち着きました。


アルミ製の、スリムなボルトにしたので、ちょっとだけ軽量化のつもりだったのですが、ナットの長さの関係で、もともとついていたナットが5個で140g。新しいナットが5個で145gと微増でした。
タイヤ、ホイールは、約1週間で発送となっていたのですが、翌日に発送され、注文の3日後に届きました。
タイヤ交換
ジャッキ
タイヤを交換する準備をはじめたところで落とし穴が。
『シエンタ』にはスペアタイヤが積まれておらず、タイヤ修理キットが搭載されています。
そのため、ジャッキアップすることがないため、ジャッキがないんですよね。
取扱説明書には、ジャッキの格納位置が図示されていたのですが、その上に「お客様の車にはタイヤパンク応急修理キットが標準装着のため、タイヤ交換に使用する以下の工具は搭載されていません」と書かれていました…
先代の取扱説明書を見ると、パンク修理キットとジャッキの両方が装着されていたようなのですが…
私は実家を離れていた期間が長かったのと、友人たちも実家を離れてしまっているため、父の広い人脈を活かしてジャッキを借りてきてもらいました。
簡単なジャッキなら、2,000円くらいからあるようですが、次はホイールを残してタイヤのみの交換になると思われるので、自宅でジャッキアップすることは今回限りになりそうなので、買うのはちょっともったいないなと。
空気圧
タイヤ交換そのものは順調。
ただ、購入したタイヤは、再度空気圧の調整を行ってくださいとなっていたのですが、3本は2.5bar入っていたのですが、1本が2.3bar。
シエンタの指定は2.4barなので不足しています。
窒素ガスを充填してくれているので、引き続き窒素ガスを入れ続けるか(オートバックスだと1本550円します)、普通に空気を足していくか…(ガソリンスタンドなどで無料で入れれます)
とりあえず、2.3barのタイヤを後輪に入れて、少し考えようと思っています。
ひょっとすると、何らかの原因でさらに空気圧が下がることも考えられるので、しばらくはこまめに空気圧をチェックしようと思います。
トルクレンチ
ホイールの取り付けですが、自分でされる場合は、ぜひトルクレンチを使用しましょう。
ホイールナットの締め付けトルクって結構難しくて、グイグイ締めちゃうとボルトが折れてしまうことがありますし、緩いとナットが外れることがあります。
この適正トルクを手の感覚で再現するのはかなり難しいです。
思い切り締めると締めすぎだし、力を抜くと緩いしと、力の加減が1番難しいあたりが適正トルクになっているんです。
私が学生の頃はトルクレンチなんて使っていなくて、グイグイと締めつけてしまっていました。
雪国で凍結防止剤なども撒かれているため、金属にとっては過酷な環境でしたが、よくボルトが折れなかったなぁと、今になって怖くなります。
締め付けトルクは、軽自動車で80~100N・m、普通自動車で100~120N・m程度とされています。
正確な値は取扱説明書を確認する必要がありますが、これくらいのトルクに対応したレンチは、3,000円台から販売されています。
お店でタイヤ交換をお願いしたときの工賃よりも安いので、ぜひ購入しましょう。
安全を3,000円で買えると思うと安いですし、運転していても安心感が違います。
トルクレンチの使い方は簡単。
まず、ロックを解除し、設定したいトルク以下で一番近い主目盛りと副目盛りの「0」を合わせます。
現行『シエンタ』の場合、103N・mなので、私が持っているトルクレンチでは、98ですね。
トルクの単位はいくつかあるので、注意が必要です。ちなみに、「N・m」は「ニュートン・メートル」です。

次に、足りないトルクの分だけ副目盛りを足します。
この場合、103ー98=5なので、先程副目盛りが「0」だったところに「5」を合わせます。

これで、98+5で103N・mに設定できました。
忘れずにロックをかけておきましょう。
トルクレンチにもよるのですが、多くのトルクレンチでは、設定したトルクまで締めると「カチッ」と音がしますので、そこで締め付けを終了します。
ディジタルのトルクレンチだともっと設定が簡単で、設定トルクになるとアラームが鳴ったりしますが、値段も高くなります。
交換終了
作業は1本10分くらいで終了。
タイヤ&ホイールの交換前、交換後は、こんな感じです。


ホイールが変わったので、ずいぶん印象が変わりました。
『シエンタ』らしいのは、やはり純正タイヤ&ホイールの方ですね。
アルミホイールに替えて軽くなったのかな?と思ったのですが、純正タイヤ&スチールホイール&ホイールカバーで1本約14.7kg。
オールシーズンタイヤ&アルミホイールで1本約15.4kgでした。
デザイン無視のスチールホイール&プラスチックのホイールカバーの方が軽かったですか…
あと、ホイールナットがちょっと長め。
ホイールの穴の深さ等を確認しておくべきだったと反省です。

試乗
やっぱり気になるのは、乗り心地と運転しての感覚ですよね。
タイヤ交換当日は、駐車場に入れ直すだけだったのですが、まず、ハンドルがめちゃくちゃ軽くなりました。
まだ皮むきをしていないことと、タイヤ表面にぶつぶつがあるので、その影響もあるのかな?と思うのですが、過去にサマータイヤからスタッドレスタイヤに履き替えたときよりも明らかにハンドルが軽くなりました。
ちなみに、タイヤ表面のぶつぶつ、すぐに摩耗してなくなりそうなのですが、どういう効果があるのでしょう?
翌日、車を使用する機会があったので、はじめて通常使用域で走行してみました。
まず、ロードノイズはそれなりに拾います。
オールシーズンタイヤの弱点の1つでもあるのですが、やっぱり気になりますよね。
不快というほどではないですし、慣れれば…という程度なのですが。
運動性能については、ステアリング操作に対してワンテンポ遅れて進行方向が変わる印象があります。
通常の右左折などでは気にならないのですが、安全な場所で左右に振ってみると(そういう道路形状のところで極端なラインの取り方をしてみました)顕著に表れます。
振動吸収性については、タイヤで振動を吸収している感じ。
以前は、タイヤとサスペンションが連動してトンッと振動を吸収していたのですが、今はタイヤのゴムの柔らかさでぽよーんと吸収しているように感じます。
振動のカドは取れているのですが、私はこの感覚が嫌い。長時間乗ると車を降りたあとも脳がふわふわしてしまいます。
空気圧で調整したいところですが、すでに+10%の2.6bar入れているので、これが限界。
逆に空気圧を下げると弾まなくなるかな?
空気圧を下げるのは簡単なので、やる価値はありそう。1度メーカー指定の2.4barまで下げてみましょうか。
また、低速では小さな凹凸を拾います。
巡航速度まで上がれば気にならないんですけどね。
乗り心地が良いか悪いかと訊かれれば「悪くない」と答えると思いますが、もしこの車に試乗してからタイヤを選んでいたら、16インチにインチアップしていたと思います。
もちろん、インチアップすると別の問題が発生するのかも知れませんが…
次は高速走行での乗り心地と燃費の確認ですかね。何もなければ来週名古屋へ行く予定なので、その時にいろいろ確認できると思います。
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