日産が、現行『GT-R』の新規受注終了を発表しました。
日産GT-Rとは
日産『GT-R』は、2007年12月に発売された、日産のフラグシップスポーツカーです。
日産のスポーツモデルの象徴であった『スカイラインGT-R』の後継車として開発されました。
開発プロジェクトは、当時の日産CEOカルロス・ゴーン氏直轄のプロジェクトとなり、水野和敏氏が開発責任者を務めました。
日本メーカーとしては珍しいイヤーモデル制を採り、毎年マイナーチェンジを繰り返しながら性能を向上させていきました。
NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)モデルは2014年モデルに初めて設定され、2017年モデルからはNISMO独立モデルとなり、NISMOオリジナルの内外装やチューニングが施されました。
各国の安全規制や騒音規制、環境対策への対応が困難になってきたことから、現行モデルの生産を2015年8月で終了することになりました。
仕様の変遷
デビュー時と2025年モデル、2025年NISMOモデルの比較を挙げておきます。
デビュー時 | 2025MY | 2025MY NISMO | ||
ボディ サイズ | 全長[mm] | 4,655 | 4,710 | 4,700 |
全幅[mm] | 1,895 | 1,895 | 1,895 | |
全高[mm] | 1,370 | 1,370 | 1,370 | |
エンジン | 種類・排気量 | 3.8L V型6気筒 | 3.8L V型6気筒 | 3.8L V型6気筒 |
最高出力[PS] | 480 | 570 | 600 | |
最大トルク[N・m] | 588 | 637 | 652 | |
最高速度[km/h] | 310 | 315 | 320 | |
0-100km/h加速[秒] | 3.6 | 3.2 | 2.6 | |
価格[万円] | 777.0~834.7 | 1,444.3~2,289.1 | 3,008.5~3,061.3 |
モータースポーツ
『GT-R』は日産のフラグシップスポーツカーですから、当然のように世界のサーキットを走ってきました。
まず、主に日本のサーキットで開催されるSUPER GTでは、2008年から2021年シーズンまでGT500クラスに参戦。
2008年の第1戦鈴鹿では、デビューウィンを1-2フィニッシュで飾り、23号車『XANAVI NISMO GT-R』を駆る本山哲選手、ブノワ・トレルイエ選手がシリーズチャンピオンに輝きました。
車両規定をDTMと統一する前年、2013年のマシンは、3.4L V型6気筒エンジンを搭載し、最高出力530PS以上、最大トルク440N・m以上とされていました。
2014年からはDTMと車両規定が統一され、2.0L直列4気筒ターボエンジンに。
『GT-R』での参戦最終年となった2021年のマシンは、最高出力550PS以上、最大トルク490N・m以上とされています。
また、2010年にはFIA GT1規定のマシンの供給を開始。2012年にはFIA GT3規定のマシンの供給を開始し、現在も世界のサーキットで走行しています。
ひとこと
17年と長きにわたって販売されてきた現行『GT-R』の歴史に終止符が打たれることになりました。
年々高いレベルを求められる安全基準や環境対策への対応が困難になったことが原因ですが、よくぞ17年も販売を続けたなと、感心してしまいます。
『GT-R』が発売された2年後の2009年に生まれた長男が、この春から高校生ですからね。
これだけ長い期間販売できたのは、モデルイヤー制を採ったことが大きいと思います。
年によって改良の幅が大きかったり小さかったりはしましたが、毎年改良を加えることで、初期とは別物と言っても良いようなパフォーマンスを得ることができました。
気になるのが、次期『GT-R』が出るのかどうかといった点ですが、現行の『GT-R』が開発されたときは、カルロス・ゴーン元CEOの直轄プロジェクトでしたし、開発責任者の水野和敏氏らがいました。
現在の日産の経営陣に、新たなフラグシップスポーツカーを開発すると判断を下せる人がいるか、日産の体力がどれくらい残っているのか、強力なリーダーシップと妥協しない信念を持った開発者がいるのかといったところが影響してくるのかな?と思っています。
『GT-R』は、日産だけでなく日本を代表するスポーツカーだと思うので、その血を絶やして欲しくないと、個人的には願っています。
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