世界中の自動車メーカーが開発を断念した中、マツダが量産にこぎ着けたロータリーエンジン。
しかし、燃費の悪さや排ガスの問題から、2012年に市場から姿を消してしまいましたが、2023年にレンジエクステンダー用エンジンとして復活。
そんな、マツダのロータリーエンジンにフォーカスした1冊。
概要
マツダの代名詞ともいえるロータリーエンジン。コンパクトでハイパワー、スムーズな回転フィール……今なおロータリーエンジンに心惹かれる人は数多くいます。
2024年にはMX-30のレンジエクステンダーとしてついにロータリーエンジンが市場に戻ってきました。
さらにロータリー+モーターを搭載することを前提としたコンセプトカー、アイコニックSPや、マツダ社内にロータリーエンジン開発室が設けられるなど、ロータリーエンジンへの期待は再び高まっています。この本では、アイコニックSPに関するインタビューや、MX-30ロータリーEVの試乗&メカニズム解説、そして過去にロータリー搭載車をとりあげた、すべて本の試乗記ページを再構成してまとめています。
マツダ ロータリースポーツのこれまでとこれからをぜひお読みください。
ひとこと
1967年、世界初の量産ロータリーエンジン搭載車『コスモスポーツ』が誕生。
軽量コンパクトで高出力、独特の排気音など、いまだに愛好者が多いロータリーエンジンですが、燃費等の問題から1996年以降は、スポーツカーの『RX-7』、2003年に『RX-7』の後継として発売された『RX-8』のみに搭載され、2012年にはその『RX-8』も生産が終了してしまいました。
しかし、それから11年。
2023年に、『MX-30』のプラグインハイブリッドモデルに、レンジエクステンダーの発電用エンジンとして搭載されることに。
また、水素を燃料とするエンジンとして、ロータリーエンジンに利は多く、開発が進められています。
かつて「未来のエンジン」と呼ばれたエンジンの第2章が幕開けでしょうか。
そして、私が忘れられないのが、1991年にル・マン24時間レースを制したマツダ『787B』。
トヨタや日産といった世界的自動車メーカーでも達成できなかった日本メーカー初の歴史的快挙を、ロータリーエンジンを搭載した車が達成。
日本メーカーが次にル・マン24時間レースを制したのは、2018年のトヨタ。27年後のことでした。
今でも、フェスティバルなどで『787B』のデモ走行が行われることがありますが、独特の甲高いエキゾースト音は、最終コーナーを立ち上がってくる前から『787B』が周回してくることを知らせてくれます。
そんな、五感をくすぐる数少ないエンジンの1つと言えるのではないでしょうか。
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