今週末は、世界3大レースの1つ、ル・マン24時間レースです。
今年は最高峰クラスのハイパーカークラスに2台のトヨタ『GR010ハイブリッド』を含む8車種21台が参戦。
事前に設定されたBoP(性能調整)で、トヨタが250km/hまでの最高出力がクラス最高値に設定されたこともあってか、テストデーで8号車がトップタイムをマークするなど、好調を見せており、3年ぶり6勝目の期待がかかります。
ル・マン24時間レースの記憶

私がはじめてル・マン24時間レースのことを知ったのは1994年、テレビ朝日の放送でした。
グループCカーが参戦できた最後の年で、トヨタが2位に入ったのを記憶しています。
翌1995年は、関谷正徳さんがマクラーレン『F1 GTR』で総合優勝。
その影にれてしまいましたが、チーム国光のホンダ『NSX GT2』がクラス優勝という快挙を遂げた年でした。
もっとも、当時の私はその凄さを理解できずにいたのですが…
ほかにも、日産が『GT-R』で、サードは『スープラ』とオリジナルマシンの『MC8-R』で、マツダはロータリーエンジンを搭載したプロトタイプカーで参戦したりと、にぎやかな顔ぶれになっていました。
その後、GT1クラスが主役の次代へと遷移していきますが、もっとも賑わったのが1999年。
BMW、トヨタ、アウディ、パノス、日産、メルセデスがワークス体制で参戦。
終盤までBMW15号車とトヨタ3号車がトップを争う展開になりました。
メルセデスが宙を舞ったのもこの年でしたね。

そのあと、アウディ1強時代が続き、2003年のベントレー、2009年のプジョーを除き、2014年までの15年間で13勝と、ル・マンの屋台骨を支える時代が続きました。

トヨタは2012年からハイブリッドカーで参戦を再開。2014年、初優勝を目前にしていたトヨタに起きた電気系トラブルでは、もうトヨタが優勝する日は来ないのではないかと思うくらい、ル・マンの女神に見放された感がありました。

2015年にはポルシェと日産が参戦を再開したことで、4ワークスによる争いになりましたが、トヨタ以外のワークスチームが撤退。
2018年からトヨタが5連覇を飾りました。
2021年から、最高峰カテゴリーがLMP1からハイパーカークラスへと変更。
北米のIMSAとの共通レギュレーションであるLMDhのマシンが参戦できるようになったため、2023年からフェラーリやポルシェ、キャデラック、BMWなどが参戦し、にぎやかな顔ぶれが戻ってきました。
ル・マン24時間レースについて思うこと
今年がどんなレースになるかはわかりませんが、近年、BoPでの泣き笑いが発生してしまっているのが気になります。
かつてのように、レギュレーションの範囲内で自由に開発可能としてしまえば面白いのでしょうが、開発資金が膨れ上がるため、経済状況によって撤退を余儀なくされるメーカーが出てくるのを過去に目にしました。
でも、頑張って車を開発したところが、結果もついてくるというレースも見たいところ。
たとえば、コストキャップを設けるといった方法も考えられますが、ゼロスタートでなければスタート時点での差が発生してしまいますし、コストのチェックも難しそうです。
BoPはシミュレーションによって決められるようですが、どれだけ実態に沿っているのが気になるところ。
何か良い方法はないんですかねぇ。
関連書籍
ル・マン24時間レースが終わると、6/17に三栄書房より『ル・マン プロト/GTカー大全集』が発売されます。
5400円とお値段の方もすごいのですが、参戦車両約1540台が掲載されているのだとか…
また、先月発売の『Racing on No. 537』や、2023年に発売された『Racing on No. 525』、『Racing on No. 526』などでも、ル・マン24時間レースの特集が組まれています。
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