【トリビア】シエンタとフリードの燃費

カーセンサーが出しているミニバンの燃費ランキングを見たのですが、予想どおりコンパクトミニバンのトヨタ『シエンタ』とホンダ『フリード』が1位、2位を占めています。

しかし、JC08モード燃費が、『シエンタ』が20.6km/Lなのに対し、『フリード』が19.0km/Lと、差が大きかったのが意外に感じました。

そこで、両車の諸元表からWLTCモード燃費を拾ってきて、もう少し詳細に比較してみました。

シエンタの燃費（WLTCモード）

WLTCモード：18.3～28.8km/L
・市街地モード（WLTC-Lモード）：14.1～27.9km/L
・郊外モード（WLTC-Mモード）：19.1～30.7km/L
・高速道路モード（WLTC-Hモード）：20.3～28.1km/L

フリードの燃費（WLTCモード）

WLTCモード：14.4～25.6km/L
・市街地モード（WLTC-Lモード）：11.0～25.9km/L
・郊外モード（WLTC-Mモード）：15.0～27.8km/L
・高速道路モード（WLTC-Hモード）：16.2～24.2km/L

考察

前置き

どちらの車も、燃費が1番悪いのは、ハイブリッドシステムを積まないガソリンエンジンだけのモデル。燃費が1番良いのは、ハイブリッドシステムを搭載したモデルがマークしています。

ガソリンエンジンだけのモデルも、ハイブリッドモデルと同様のことが言えると思いますので、今後はハイブリッドモデルのみに注目してみていきたいと思います。
（特に記述がない限り、今後はハイブリッドモデルの話です）

シエンタの燃費

シエンタで最も燃費が良いのは、1番下のグレード「X」のFF（前輪駆動）、5人乗り（2列シート）となっています。

たとえば、最上位グレード「Z」のFF、5人乗りと「X」グレードを比較すると、20kg軽く、燃費は0.3～0.5km/L良くなっています。

フリードの燃費

シエンタで最も燃費が良かったのは2列シートの5人乗りモデルでしたが、フリードの場合は「AIR」の6人乗りモデル（3列シート）が最も良くなっています。

フリードで2列シートモデルが設定されているのは、「CROSSTAR」のみですが、「AIR」のFF、6人乗りと比較すると、車両重量が20kg重くなっていますので、そのあたりが影響したのかも。
2列シートにも関わらず、3列シートよりも20kg重くなる原因がどこにあるのか興味がつきませんが、今回はそこまで深掘りはしないことにします。

「AIR」、「AIR EX」、「CROSSTAR」のFF、6人乗りモデル同士で比較した場合、燃費の差は0.1～0.3km/Lとなっています。

比較

上に示したシエンタのWLTCモード燃費の値は2列5人乗りモデルのものだったので、フリードと合わせるため、FF、3列シートの値を並べてみます。

		シエンタ	フリード
WLTCモード[km/L]		28.5	25.6
	市街地モード[km/L]	27.5	25.9
	郊外モード[km/L]	30.3	27.8
	高速道路モード[km/L]	27.9	24.2

表を見て一目瞭然。
シエンタの方がフリードよりも1.6～3.7km/h、国土交通省の審査値であるWLTCモードに限って見ても、2.9km/Lの差があります。
比率を計算すると、約10%の差になります。

ライバルとして、何かと比較される2台ですが、もっと均衡しているものかと思いました。
しかも、あとから出たフリードの方が悪いとはちょっと意外、というのを通り越して、ショック！

原因の1つとして、車両重量の差があるのかな？と思います。
シエンタのFF、3列シートが1,350～1,370kgであるのに対し、フリードは1,460～1,490kg。
シエンタの「Z」グレードと「X」グレードの重量差が20kgで、燃費が0.3～0.5km/L違っていたことを考えると、この100kg超の重量差は大きそう。

この燃費差に見合っただけの仕様の違いをフリードに見いだせるか否かが、燃費も比較項目に含めた際の比較結果に繋がるのかも知れません。

4WDモデルに関する考察

また、FFと4WD（4輪駆動）を比較すると、シエンタは0.9～4.5km/Lほど、フリードは3.7～5.1km/Lほど4WDモデルの方が燃費が悪くなります。
シエンタと比較すると、フリードの方が燃費の落ち込みが大きくなっていますが、これはシエンタが後輪をモーターの動力のみで駆動させるE-Fourを搭載しているためだと思われます。
ホンダもE-Fourの機構を採用するという記事を最近目にしたような気がするので、トヨタのE-Fourの方式が良いということなんだと思います（ちょっとうろ覚えなので、間違っていたらゴメンナサイ）。